前妻の子vs.後妻

よくあるパターンの争いです。A男はB子と結婚し、子供Cを授かりました。その後、A男とB子は不仲となり離婚し、子供CはB子が育てることとなりました。

後日、A男はD子と再婚しました。しかし不慮の事故により、A男は亡くなってしまいました。

さて、このケースでは、相続人はCとD子となります。『前妻の子供Cvs.後妻D子』の争いです。

子供Cからすれば、D子のことなど知ったことではありません。また、Aの実子であるCから見れば、D子はAと血の繋がりがない他人ともいえるでしょう。少しでも、自分(C)が多く遺産を貰いたいと考えるのが心情です。また、Cは本心から、A男は実の子である自分に遺産を受け取って欲しいと願っていたはずだと信じています。

しかし、D子の視点からみれば話は変わってきます。子供Cは、すでにA男と一緒に暮らしていたわけではない、事実上の他人ではないかという思いが出てくるかもしれません。A男の現在の財産は、D子がA男と一緒に築いてきたものです。それにも関わらず、A男が死んだからといって突然現れて、「遺産をよこせ」とCが言ってくることに納得がいかないでしょう。また、D子は本心から、A男は自分を愛していて、自分に遺産を受け取って欲しいと願っていたはずだと信じています。

CもD子も、Aの意思を推測して、「自分こそが財産をより多く貰うべきだ」と主張しています。私が、多くの相続問題についてお仕事をさせていただく中で感じるのですが、相続問題が複雑になる理由のひとつに、『財産をあげる人(亡くなった人)の意思を、財産を貰う人(相続人)それぞれが、自分に都合のよいように推測する』というものがあります。「自分こそが愛されていた、自分こそが亡くなった方に貢献した、他人は亡くなった方に嫌われていた。だからこそ自分が多くの遺産を貰うべきだ」と考えるわけです。

相続人が自分に都合のよいように物事を考えるのには理由があります。今回の事例で考えてみますと次のとおりです。

A男は、後妻であるD子に対して、「D子さんが一番大切である」と伝えているのが通常でしょう。ですから、D子が、「A男に一番大切にされていたのは自分だ」と考えるのは普通のことです。

一方、子供Cは、A男とたまに会うことがあったでしょう。そしてA男と会話することもあったでしょう。普通の父親であれば、実の子供に対し「お前のことを大切に思っている」と伝えるのは極めて自然なことです。そして子供は親に対し、自分が一番愛されていると考えるのもまた自然なことです。

こうして、子供CもD子も、自分が一番遺産を貰うべきだと主張するわけです。このような状態で話し合いがつくわけもなく、結局、裁判所のお世話になることとなります(訴訟には多額の費用もかかるでしょう)。

さて、このような事態を回避するために、遺言を残しておくことは非常に重要です。A男が、誰に何を相続して欲しいかを、生前に残しておけばよかったのです。そうすれば、その遺言のとおりに財産を分配すれば終わりであり、争いが生じる余地はなかったわけです。

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